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■学修の基礎 T・U 担当者:金井淑子 履修学年:1年生 [授業内容] 哲学という学問領域に踏み入るその前段階のところで、まず大学という場における「人文・社会・自然」の三分野にわたる学問知について簡単に俯瞰的な案内をします。そして現在、そうした三分野の境界を越えて学問諸領域が多様にネットワークしシャッフルする形でさまざまな主題の新たな「超領域研究」や「学際研究領域」を登場させていること、さらまた女性や障害者セクシュアル・マイノリティなどからの「当事者学」という新たな研究領域の活発な動きの中にあることについて紹介することになります。最初の数回は「学問論」編です。 次にそうした学問の世界の地殻変動が人文科学の知の場面にも及んでいること、そして哲学という学問領域もその例外ではないとことに触れます。哲学の現代的課題とすべきことはどのようなことなのか。物質的な豊かさも生き方の選択肢の一定の自由度も手にしているはずの現代社会を生きる人々、しかしその内面には深い「生きがたさ」の感情が潜在し孤立感を深めているように思えてならない。そうした問題意識から、哲学の世界にも及んでいる知の地殻変動とすべき動きのひとつを「臨床哲学」の登場のなかに辿り、普遍への意思の育みにとって「自己へのケア」の視点から「ケアロジー」への視界を拓くことが不可欠となることの理解につなぎたいと考えています。それはひとえこの科目を受講された皆さんが、自分のなかの「生きにくさ」の感情と真摯に向き合い自らを「ケアする力」をつけ、自らの中の「痛みの感覚」や自らの「内なる声」を通して、生きることの意味や他者と共にあることの理解を深めてほしいと思うからです。(学修の基礎T) 立正大学は大学のブランド・ビジョンとして「モラリスト×スペシャリスト」と「ケアロジーの構築」を謳っています。しかし掲げられた「ケアロジー」の理念づけや概念について理解はまだ煮詰められているとはいえません。この講義では「自己へのケア」の視点から「ケアロジーを拓く」試みを展開していくために、テーマを「自立と依存の倫理」「弱いパターナリズムとしてのケア倫理」と立てて進めます。自他分離や主体や自立さらに自己決定といった原理に立つリベラリズムだけでは人と人との関係は成り立ちません。自他同一性の倫理、「他者のことをわがこと」とするパターナリズム倫理が他者の支配や抑圧に反転しないケア倫理に拓かれるためには、何が問われてくるのかについて考える場とします。(学修の基礎U) T・Uテキスト: 金井淑子『依存と自立の倫理 ■哲学演習 5・6 担当者:石垣壽郎 履修学年:3年生 [授業内容] 人間の存在とともに自然の存在も、哲学にとっては避けて通れない大きな問題を投げかけている。人類は、その誕生のときから自然を理解しようと、懸命な努力を続けてきたに違いない。そして、それぞれの時代において、そのときの知力の限りを尽くして自然像を描いてきたのであろう。現代は、現代の知力を尽くして自然像を描こうと、科学者たちが努力を続けている。しかし、このような飽くなき努力にもかかわらず、人類は、何度も自然認識の大きな変革(科学革命)に見舞われ、自然像ががらりと変わってしまうという経験をせざるを得なかった。例えば、天動説から地動説への変革はその1つの例である。なぜ、そのようなことが生じるのであろうか。自然の認識というものは、確実な方法で少しずつ知識が蓄積されていく過程ではないのか。なぜ、ある時期以前の自然像がまったく書き換えられるというようなことが生じるのだろうか。本演習では、古代ギリシアから、20世紀までの科学の歩みを振り返りながら、人間が行なう自然認識の特性についての理解を得ることを目標とする。テキストを丹念に読むことによって、自然科学という人間の知的な活動に関して、自然現象の観察に基づいて導出される理論という見方、また、科学史上の大きな変革において観察が理論の成否を決定するという素朴な見方を修正して、人間が行なう認識に対する深い理解を得ることになるであろう。 ■基礎演習 1C・2C 担当者:松永澄夫 履修学年:1年生 [授業内容] 哲学的に考えるとはどういうことかを理解し身につけるように導く。到達目標は、考察すべき問題を発見できるようになること、自分の考えを発表できることである。 T期開講の1Cでは、社会の中で生きる上で出会うさまざまな価値の源泉に気づくようにさせる 。動物としての人間、人間関係、社会秩序と文化等を取り上げ、人間では価値問題が意味問題と一体になっていることを確認し、自己のアイデンティティを手に入れるとはどのようなことかも考える。 U期開講の2Cでは、 哲学の古典的主題群を扱う。自己と世界、存在概念、時間、空間、生命、他者、自然と人為等について考えてゆく。
■現代哲学の諸相 1・2 担当者:村田純一 履修学年:2年生 現代哲学の諸相 1 [授業内容] 知覚の哲学:色彩現象や音現象などの具体的な知覚現象を取り上げながら、現代の哲学者たちがどのようにその分析に取り組んできたかを概観し、現代における知覚の哲学のあり方を講義する。知覚の哲学を通した現代哲学入門ということもできる。 知覚の哲学は心の哲学と認識論の両方に関係する哲学の基本問題である。この問題を特に現代の科学や哲学の観点を学びながら理解することが目標である。 [授業計画] 1.なぜ知覚は哲学の根本問題となるのか? 2.色彩と空間性:フッサール/メルロポンティ/D・カッツ/J・J・ギブソン 3.色彩の多次元性:ゲーテとニュートン/ウィトゲンシュタイン 5.色彩と音 6.他者の色彩(動物の意識とは?) 現代哲学の諸相 2 [授業内容] 自由意志と決定論:哲学の基本問題の一つである自由意志と決定論をめぐる問題を主な題材として、現代的状況の中で哲学的問題に取り組むとはどのようなことかを理解することを目的とする。合わせて、古代から近代、そして、とりわけ現代の哲学者がこの問題にどのように取り組んできたか、そして取り組んでいるかを理解することを目指す。 自由意志と決定論をめぐる問題は、心の哲学、行為論、知識論、倫理学など多くの問題が関係している。授業では、幅広い哲学の基本概念と哲学史的背景を学びながら、特に現代における自由意志と決定論をめぐる問題の意義を理解することができるようになることを目指す。 [授業計画] 1.自由意志と決定論をめぐる問題とは何だろうか:その現代的意義 2.古代における自由とは?:プラトン/アリストテレス 3.中世における自由とは?:アウグスティヌス/トマス・アクィナス 4.近代における自由とは?:ホッブス/ロックとヒューム 5.現代における自由とは? ■哲学とは何か A ・ 哲学の基本諸問題 担当者:湯浅正彦 哲学とは何か A はシラバス 哲学とは何か A をご覧ください。 哲学の基本諸問題 はシラバス 哲学の基本諸問題 をご覧ください。 シラバスのページへうまく移動できない(例えば、ログインを求められる)ときは、このページに戻って再度希望の講義名をクリックしてください。 ■ 担当者:村上喜良 履修学年: [授業内容] ■哲学演習 13・14 担当者:板橋勇仁 履修学年:3年生 [授業内容] 西田幾多郎の処女作『善の研究』を毎年一編ずつ講読しているが、本年はその第四編「宗教」を講読する。最初の数回の授業で、西田の生涯と思想、『善の研究』の内容とその影響について簡単にガイダンスをした後、第四編「宗教」を、少しずつ講読していきたい。受講者の中から発表担当者を決めて、その回の講読箇所の内容について報告と問題提起をしてもらい、以下に記すようなテーマについて、活発な議論を試みる。 [授業計画] 議論のテーマとなること。自然と精神、生命と死、有限と無限、人と神と仏、自由と必然、自己と他者、言語と言語ならざるもの、知識と感情と意志、など。 ■倫理学とは何か 担当者:田坂さつき 履修学年:1年生・2年生 [授業内容] この授業は、古代ギリシアの思索を書物からたどりながら、現代われわれが直面している問題を再考することを目的としています。 ソクラテスは古代ギリシア時代に、徳を教えると自称したソフィストに対して、問答を通して行う哲学「フィロソフィア(知恵への愛)」の大切さを訴えました。しかし、当時のアテナイ市民は、ソクラテスを裁判にかけて死刑にしてしまいます。ソクラテスは彼の哲学については何も書物を遺さなかったのですが、プラトンはソクラテスの問答を書物に著し、その書物は30余冊(偽書の疑いのあるものも含めて)、2000年を経て現代に至るまで伝えられています。プラトンの書物は、設定した問題が解決できずアポリア(行き詰まり)に終わるというものが多いのですが、ほとんどが対話形式になっているので、読者はソクラテスに、「あなたはどう考える?」と問われているような気持ちになります。つまり書物を読むことにより、2000年前の問答に、現代の私たちも巻き込まれるのです。プラトンは主著『国家』で、ソクラテスの問答を通して、イデア論という後世に大きな影響を与えた哲学思想を展開し、民主制を批判しながら、哲学者が王となる男女共同参画の理想国家を構想します。そしてその弟子アリストテレスは、師の学校アカデメイアで学び、師の思想を痛烈に批判して、自らの思想を形成するのです。このように、問答を通して批判し合いながら、真理を求める続ける哲学の営みは、西洋哲学の歴史を創っていったのです。 そして、互いに真理を求めて論じ合う「フィロソフィア」の営みは、2千年を越えて現代まで続いています。彼らの遺した書物には、長期化する内乱の病理構造の分析、民主制の基盤となる自由の孕む危険性、快楽への敗北と習慣形成、男女共同参画の可能性等も書かれています。これは現代のわれわれが直面している問題と見事に重なっています。現代という時代からだけではなく、2000年を経て遺された哲学者の書物を手がかりに、このような問題にアプローチするとどうなるのか、この授業では考えていきます。 授業は、各時間設定されたテーマについて、受講生と共に考えるという仕方で進めます。 現代の社会問題、例えば、民族紛争終結の困難さ、民主主義と自由、裁判員制度、性差別問題、環境問題、等も取り上げます。まず、机上の議論のみにとどまることがないように、映像や資料も用いて、現実に起こっている事柄を視野に入れて問題設定します。そして、それに関係する古代ギリシア哲学者のテキストを取り上げ、その内実を現代の問題に照らして、受講生と共に検討することを目指しています。 この授業を受講した人は、続けて「倫理学の基本諸問題」を受講することを勧めます。ここでは、現代社会の問題の中でも、生命倫理の問題や科学技術の問題を取り上げます。そしてそれに関係する古代ギリシア哲学者のテキストを取り上げて検討します。しかしこの種のテーマは、現代特有の問題に対する現場知や当事者との対話、現場での体験学習が不可欠です。ですから、大学4年間のカリキュラムの中で、当事者との遠隔通信を行う授業を通して、無理なく段階的に1対1の対話へと至ることが望ましいと考えています。講義では、遠隔通信授業を数回行い、年に1度は、障害や病を生きる人を大学にお招きして、直接対話を行います。そして、3年生以上は、少人数での遠隔通信による対話授業、そして、障害や病を生きる人達と合宿形式の研修や哲学対話、生活支援具の制作の体験も行っています。 |